☆ 淋病
世界的にみて性器クラミジアに次いで多い性感染症である。潜伏期間(症状が出るまでの期間)は2~7日。
男性は尿道に初感染。排尿痛等の自覚症状が強い。女性は子宮頚管に感染するが 自覚症状のない事も多いが、進行すると腹膜炎などを起こすことがある。不妊症の原因になる恐れもある。また、産道感染は新生児結膜炎を招く事がある。
治療:○一回点滴療法
パートナも必ず検査を受けるように
☆クラミジア感染症
クラミジアによる性感染症は、男性では尿道炎、女性では子宮頚管炎として起こります。
感染初期には自覚症状がないことが特徴ですが、男性の場合は、2~3週すると、排尿時
に不快感を感じたり痛みを感じたり、尿道の分泌物の色や性状が変わるなど、症状が出やすい
ので、比較的発見しやすい。
しかし、女性の場合は、半数以上が自覚症状がないまま経過し、気がつかないうちに症状が進行
したり、パートナーに感染したりしますから、特に注意が必要です
治療:◎1回投薬治療可能
検査
外来で子宮の分泌物や血液を採取することでできます。
治療
よく効く薬があります。通常2週間程度服用するだけで、治療することができます。
パートナーの治療
クラミジア感染症は性行為によって感染しますから、パートナーも必ず治療して下さい。
再感染
いったん治っても、何回でも感染します。防ぐにはコンドームの使用以外ありません。
STD(性行為感染症)について
セックスやそれに近い行為で感染する病気を総称して、英語ではSTD(Sexually Transmitted
Disease)と言います。
このSTDは種類が多く、症状もウイルスや細菌などさまざま。多くはおりものの変化や外陰部の痛みやかゆみなどの症状にに現れますが、自覚症状のないものもあります。
おりものや血液の検査によって診断することができ、治療は膣座薬や軟膏、内服薬などを使用します。病気によっては治りにくいものや再発を繰り返すものもありますので、完全に治るまで根気よく治療することが肝心です。また、ちょっとおかしいと思っても放っておく男性は意外と多いので、まずは女性こそが敏感でいるべきなのです。
●クラミジア感染症 |
●性器ヘルペス |
●尖圭コンジローマ |
クラミジア・トラコマーティスという微生物によって起こる感染症で、女性のかかる性感染症としては患者数が最も多く、年々増加傾向にあります。
力の弱い菌のため感染しても、おりものが少し増えたり、軽い下腹痛や排尿痛がある程度でその他の自覚症状が乏しいため感染に気づきにくく、女性のうち70%は無症状なので感染した事に気づかず放置されがちです。
知らないうちにパートナーにうつしてしまう事が多いようです。しかし、症状が進むと卵管や子宮の炎症をおこします。将来的には不妊症や流産の原因になったりします。 |
単純ヘルペスウイルスによっておこります。
外陰部や膣に米粒状の水泡ができます。
これがやぶれて激しく痛みます。
また、症状がひどいと排尿時や歩行時に激痛となることもあります。
いったん治っても、体の抵抗が落ちたときに再発することがあります。 |
膣口、小陰唇、肛門付近にイボがたくさんできて、かゆみや灼熱感があります。このいぼ自体は良性の腫瘍ですが、子宮頚ガンとの関連性が指摘されています。
不快症状もあまりないため、放置されやすく、どんどん増えてしまい、カリフラワーのようなかたまりになることもあります。
薬物療法のほか、いぼを電気メスやレーザーで切除します。 |
●梅毒 |
●淋病 |
●エイズ |
梅毒トレポネーマという細菌によって起こります。
感染して2~3週間後に外陰部に固いしこりがあらわれますが、痛みもなく自然に消えます。さらに2~3ヶ月たつと全体に発疹など皮膚症状が出て、外陰部や肛門付近にただれたような小豆大のできものがあらわれ、微熱やだるさを感じます。
早期に治療を開始すれば完治しますが、進行すると脳の神経が侵され廃人のようになってしまうことがあります。 |
淋菌という細菌によって起こる感染症。
陰部の不快感や異臭のある黄色い膿のようなおりものが増える程度です。しかし男性の場合は排尿時痛や尿道から膿が出るなど自覚症状が強いのでパートナーの症状に注意が必要です。 |
HIV(ヒト免疫不全ウイルス)の感染により起こります。このウイルスはヒトの免疫力をずたずたにしてしまうため、健康な人には問題にならないような病気が命取りになってしまいます。ごく弱いウイルスなので、空気にふれたり熱やせっけんですぐに死んでしまいますので、キス、握手、せき、プール、電車の吊革などからの感染はありえません。各都道府県の保健所、最寄の病院などで検査が受けられます。 |
●毛じらみ |
●トリコモナス膣炎 |
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外陰部が痒い、何が動くものがある、と訴えて診察にくる人がいます。その動いているフケのようなものを顕微鏡でのぞいてみると、蟹のような型をしたちょっとグロテスクな虫が見える事があります。これは毛じらみといい、陰部の毛に寄生します。動きはにぶくて毛から毛へ移動するのでSTD(性行為感染症)の1つと言えます。このため、パートナーの検査をしておかないと自分が治っても又、相手からうつされてしまうピンポン感染になってしまいます。おかしいと思ったら婦人科や皮膚科へ行ってみましょう。できれば動いていたものも持ってくると診断が早くできます。 |
トリコモナス原虫により起こる膣炎。黄色く泡立った悪臭を伴うおりものが増え、外陰部がかゆくなります。まれに不潔なトイレや浴槽などでうつることもありますが、ほとんどはセックスにより感染します。 |
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