趣味の俳句について

NHK俳句採用句 

2015年

寄せ鍋やぶっちょう面も五六人 3月
福笑い我が家が揺れてそまいけり  3月
下萌えやでんぐり返るおんなの子 4月
桜餅あっと言う間の月日かな  5月

2014年

芭蕉忌や先ずは黙祷俳句会  1月

遠足や女教師に恋をして  6月
藁までにこだわる鰹料理かな 8月
遠足の母のおにぎり旨かった  9月
がつがつと新蕎麦すすり哲学者 11月

25年10月 現在

糟糠の妻や勤労感謝の日
良寛が現れそうな春の月
亡き父の墓に九月の風が吹く
生きるとは いつか死ぬこと墓洗う
海鼠食ぶのらりくらりの男かな
父の日の父は寡黙を押し通す
いくさ傷見せ合ってる終戦日
母の日の母は日課の乳しぼり
野遊びに飽きて立ちしょんして帰る
母を丸ごとあらいけり 大晦日
孫の手もかりて老母の冬至風呂

2013年4月号

立春の象天空に鼻を向け
ふらここや仕事のごとく婆は漕ぐ
炭を継ぐただそれだけの役目かな
芭蕉忌や先ずは黙祷俳句会
二児の母でありし杜氏や今年酒
校長はいまだ独身秋蛤
朝顔や男やもめの厨窓
定年のなき老医師の初仕事
過疎の地にぞくぞく帰省成人式
耕牛や操る夫も老いにけり
母の日の母を泣かせてしまいけり

蛍狩二人の母に育てられ
諍いの後の沈黙冷やし酒
禿頭がずらりと八つ月の宴
失いし脚疼くてふ終戦日
失いし脚疼くてふ終戦日   選者 別
しぐるるや村人総出寺普請

2012年12月号

秋風や大道芸に客ひとり
病床の千の折鶴春を待つ
学長の訓示蛙の目借時
縄文の土偶の叫び山笑う
爺婆は以心伝心日向ぼこ
五臓六腑張り裂けそうな大暑かな
十薬や病気知らずは親譲り
焼芋屋八人の子を育てけり

2011年8月号

新涼や上がり框の欠け茶碗
戦争の傷まだ疼く敬老日
種袋振って豊作祈願かな

梅漬けて亡き母のこと妻のこと
口開けて何かつぶやく蜆かな
ひもすがら海を見ている終戦日

22年度

空き家ばかり目立つ古里閑古鳥
蛍狩母を知らずに育ちけり
妥協てふ言の葉知らぬ生身魂

2010年12月

人知れず練習をして運動会
八朔や七十にして農を継ぐ
跡継ぎの無き植田にも雲流れ
隣の子滅法強き歌留多会
恋芽生えしか手袋を編んでをり
ありったけ天地揺すりて踊りけり
振り向けば綿虫はもう失せてをり

2009年12月

閉店を知らず訪ひけり秋の暮
虫の音にいつのまにやら眠りけり
噴水た天より高きこころざし
強東風にさらわれ行く乳母車

2008年8月

初めての単身赴任山笑ふ
父の日や天地無用の荷が届く
薫風や母の便りが乗って来し
寺を継ぐことを約束入学す
押し入れに眠る骨董春惜しむ
下萌や農を継ぐてふ次男坊
久々の赤ちゃんに沸く雪解村
一徹の父の入魂新走り
ねんごろに銃の手入れや狩の宿

2009年2月

仏前に二股大根供えけり
秋深し錆びれしままの難破船
茫々と髭を伸ばすや盆の父
サングラス掛ければ一端の不良
こんこんと狐の遊ぶ泉かな

2008年8月

十薬や父よりも母よりも生き
春灯や夜の新宿歌舞伎町
臨終の父に一滴今年酒
流星や富士山頂に一人立つ
日の丸の褌つけて泳ぎけり
蝉しぐれ一斉に泣く赤子かな
白玉が縁で夫婦となりけり
廃校と決まる分校春の雪
しぐるるや遠野駅前カッパ像
紅葉に吸い込まれ行く車椅子

2006年11月

出戻りの娘は子沢山秋暑し
西瓜食ぶ幼児返りの哲学者
蟇蛙都市開発を恨みをり
亀鳴くや母より妻の物の忘れ
雛祭孫を酔わせてしまいけり
一族と言っても五人初写真
豆を撒く巫女の下駄にも社の名
初夏やトキの卵にトキの親
亡き父もそこにいるような祭笛
鰻の日泥鰌を食ってをりにけり
緑陰に盲導犬も憩ひをり
蠅叩く仕草も母に似て来たる
手花火に「知らぬ子混じりけり
毛虫等は焼かれるために生まれしか
人招くやうな容に水を打つ
秋灯や単身赴任十二年

平成12年

大袈裟に弔われたる赤トンボ
よく笑いよく泣く嬰に小鳥来る
跡継ぎの許嫁ゐる初写真
春雨やことこと煮る豚の足
待望の女児生まれ雛買いに行く
屋根雪を下す夫婦の命綱
剪定の遥か彼方に父おはす
結婚の日取りも決まり卒業す
薔薇ひとつ咲かせぬうちに老いにけり
飲兵衛を残して帰る花筵
くすさめして女を待ってをりにけり
ふらここに童のやうな爺と婆
風鈴を大往生の母に吊る
一匹の蛍にどっと人だかり
登山帽被って父は召されけり

2001年

鵙鳴けば答へるやうに赤子泣く
少年の心の窓に小鳥来る
売られ行く牛の尻尾に秋の風
脇役にされてしまいぬ吾亦紅
泣き虫の三男坊や七五三
落葉炊知らぬ子ひとり混じりけり
定年のネクタイ捨てて秋遍路
番台に三十年や木の葉髪
玉のごと外孫の来て初湯かな
四世代みな吊り目柿を食うふ
日向ぼこもしももしもの話など
つんつんと朝日を揺する土筆ん坊
子規堂のあまたの遺品梅雨寒し
紺碧の空紺青の濃紫陽花
春風や女児がくるりとひるがへる
水着てふ名ばかりの布をつけてをり
爽やかや別れのことばを聞いている

2002年1月
兜虫戦わせている女の子

2004年
三味の音聞けば津軽の虎落笛

2005年
盆梅や三代目てふ骨董屋
刀鍛治の鉄打つ音や蕗の薹

2002年

一瞬は鳥になりたる梯子乗り
花曇廃墟となりし遊園地
鶴を折るように粽を結いんけり
パリに住む娘に筍を送りけり
退院の荷物まとめて明け易いし
ひもすがらごろごろしてる金魚玉
サングラス掛けて人格変わりけり
校長が一番日焼け始業式
蛍狩母がそこにゐるような
しばらくは禁酒を破り新酒酌む

2003年
柚子湯して亡母の乳房をまさぐりぬ
寒紅やきりりと引いて百寿なる
大好きな女教師に雪礫
一生涯鯛焼きをして老いにけり
囀ややうやく解けて水温む、、??
桜散るお化け屋敷のがらんどう
戦争を知らぬ世代や菜飯食う
サングラス外し宇宙を仰ぎ見る
桜咲く弘前城の津軽三味
嫁姑背中合わせに水羊羹
座が持てず壺褒めており夏座敷
手花火に駐在さんも加わりぬ

2004年1月
めっきりと弱気となりぬ生身魂
禰宜と巫女無口のままや落葉掃く
跡継ぎの決まらぬままや鍬始
うっかりと好きな女に雪礫
校門の桂を見上げ卒業す
もしかして妻かも知れぬ雪女
運動会雨天決行泥まみれ
うぐいすや癌病棟の娯楽室
女高生更に短く更衣
あかちゃんを二人抱えて茅の輪かな
秋祭鉢巻巻いて志功跳ねる

2005年
爽やかや天狗の鼻を折っている
校長も駐在さんも阿波踊
一人減り二人減る村山眠る
山峡の千手観音冬霞
初鏡抜け毛気になる歳となる
雪道にすってんころり老いたるや
大仏の胎の中まで煤はらい
種蒔くやちと呆けたる爺と婆
豆飯や嫁ぐ気のなき三姉妹
竣工の吊橋わたる白日傘
ラムネ飲む少年の目の美しさ
ソ連船座礁したままなる晩夏
校長の日焼けを笑う日焼けの子

2006年2月
林檎剥く不器用な子の増えにけり
要らぬもの捨てることより冬支度
熱燗や空気のやうな妻の酌
蟠りきっぱり捨てて落葉焚
忘年会死ぬほど飲んでしまいけり
笹鳴く退院近き試歩の朝
鮟鱇のぶざまな貌や我に似る

全国俳句大会 18年度

一匹の蛍にどっと人の波

21年度

ありったけ天地揺すり踊りけり

22年度

妥協てふ言の葉知らぬ生身魂
蛍狩母を知らずに育ちけり
空き家ばかり目立つ古里閑古鳥
ひもすがら海をみている終戦日

23年度

学長の訓示蛙の目借時
縄文の土偶の叫び山笑う
五臓六腑張り裂けそうな大暑かな
十薬や病気知らずは親譲り

24年度

耕牛や操る夫も老いにけり
母の日の母を泣かせてしまいけり

蛍狩二人の母に育てられ
諍いの後の沈黙冷やし酒

25年度

糟糠の妻や勤労感謝の日
良寛が現れそうな春の月
亡き父の墓に九月の風が吹く
生きるとは いつか死ぬこと墓洗う
海鼠食ぶのらりくらりの男かな
父の日の父は寡黙を押し通す
いくさ傷見せ合ってる終戦日
母の日の母は日課の乳しぼり
野遊びに飽きて立ちしょんして帰る
母を丸ごとあらいけり 大晦日

26年度

マニキュアは恋のはじまり毛糸編む
過疎の地に赤子誕生山笑う
督促状じっとみている啄木忌
毒舌はいまだ健在生身魂
つつましくつつましく生き干菜汁
一月一日むんずむんずと旅に出る
海鼠食ぶ優柔不断の男かな

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